「累代(るいだい)飼育」とは、自分で育てた成虫から卵を採り、次世代を飼育していく繁殖方法です。
オオクワガタは繁殖しやすく、親子・兄妹・血統管理も楽しめるため、初心者にもおすすめのブリード種とされています。
累代の用語解説
- F1:野外個体から生まれた1世代目
- F2, F3…:累代を重ねた世代
- インライン:同じ血統内での交配(固定率アップ)
- アウトライン:別系統をかけ合わせる(血の入れ替え)
ペアリングとは?
ペアリング=オスとメスを同居させて交尾させる行為のことです。 うまくいけば、メスが交尾済みとなり、産卵セットで卵を産んでくれます。
ペアリングの準備
- ペア:成熟したオス・メスの個体(羽化から3〜4か月経過)
- ケース:幅20〜30cm程度の小型飼育ケース
- 床材:くち木チップ or やや固めの発酵マット
- 足場:コルクや枝を必ず設置(転倒防止)
- ゼリー:2カ所以上に設置(ケンカ防止)
ペアリングの手順
- オスとメスを同じケースに入れる
- 日中は動かないので、夜間に観察
- 交尾は30分〜1時間程度で終了(背中に乗る姿勢が目印)
- 確認後はすぐにメスを別ケースに移す
POINT:同居しっぱなしはNG。オスが攻撃する場合があります。
成功の見極め方
- 交尾中:メスがじっとしていて、オスが背中に乗っている
- 交尾後:メスがゼリーをよく食べ、活発になる
- 逆に:メスが逃げる、威嚇する=未成熟 or 相性×
産卵セットの準備
- メスの交尾確認後、数日休ませる
- 材割り用産卵セットを用意(埋め込み式クヌギ材+マット)
- 温度管理:20〜25℃が理想。湿度は高めを維持
累代飼育の年間スケジュール(例)
- 春(4〜6月):成熟した成虫でペアリング・産卵開始
- 夏(7〜8月):産卵 → 幼虫取り出し → 個別管理
- 秋〜冬(9〜3月):幼虫育成 → マット/菌糸ビン交換
- 翌春〜夏:蛹化 → 羽化 → 成虫管理
よくある質問(Q&A)
- Q:羽化直後でもペアリングできる?
A:できません。羽化から3か月以上経過した個体が理想です。 - Q:オスとメスはずっと一緒でいい?
A:NG。交尾後は別々に管理しましょう。 - Q:交尾が見られなかったら?
A:数日同居し、見守りましょう。未成熟な可能性もあります。